どーも、てぃしーです!
昨季、プレミアリーグ15位に終わったユナイテッド…。ここ最近、名門の低迷が続いています。
テンハグ監督に代わって、半年間ユナイテッドの指揮を握ったアモリム監督。
半年でチームを建て直すのは無理があり、戦術も浸透しなかった。
今回は、アモリム体制のユナイテッドがどうだったのかを振り返り、改善点を考察していきます。
それではどうぞ!
守備面
アモリムの守備戦術は、基本に忠実で、5バックの利点を最大限に活かしています。
今回、その特徴がよく表れているユナイテッドのミドルブロックについて詳しく掘り下げていきます。
ミドルブロック

ユナイテッドのミドルブロックは、基本的に(5-2-3)の陣形を採用している【図①】。
相手が高い位置で(3-2-5)のような5トップ型でボールを保持する場合、この陣形はうまく噛み合う。

シティやアーセナルのようなポゼッション志向のチームに相性が良いと感じます。
また、ミドルゾーンでブロックを組んで守るだけでなく、相手に対して積極的にプレッシャーをかける姿勢も見られる。
例えば、下がってボールを受けようとする相手WG(ウイング)に対して、ボールが渡るタイミングでユナイテッドのWB(ウイングバック)が縦にスライドしてプレスをかける【図②】。

後方に5枚と人数をかけている分、中盤の枚数が手薄なので、WBが縦にスライドしてカバーしている。
また、ハーフスペースの守備も非常に明確化されている。
ハーフスペースは攻撃の起点となりやすいため、守備側としては徹底して封じたいエリア。
ユナイテッドは、ハーフスペースに立つ相手IH(インサイドハーフ)には、ボールが渡るタイミングで左右ストッパー(センターバック)が素早く寄せて迎撃する【図③】。

この対応によって、中盤の人数不足をカバーする役割も果たしている。
この迎撃に関しては、CBレニー・ヨロが秀でている。彼は、ハーフスペースに立つ相手選手にボールが渡るタイミングで素早く前に出て迎撃し、攻撃の芽を摘んでいる。
厳しく寄せるだけでなく、抜群の読みでインターセプトし、ボールを奪ってロングカウンターを発動するシーンが、昨季は何度も見られた。
ヨロは、こうした前に出る判断力に非常に優れた選手です。
このように、4バックでは対応が難しいハーフスペースを、アモリムユナイテッドでは5バックでしっかりとカバーしている。
6トップ&トップ下対策用のミドルブロック

ユナイテッドには、先ほど紹介したミドルブロック(5-2-3)だけではなく、6トップ&トップ下対策用のミドルブロック(5-1-3-1)もある【図④】。アンカーが相手トップ下をマークする。
この守備陣形は【24/25プレミアリーグ第37節】チェルシー戦で披露されレました。
6トップ&トップ下対策用のミドルブロックについて(長所、短所)をもっと知りたい方は、下記記事内の『ユナイテッドのミドルブロック』の項目からチェックできます。
このように、アモリムは対戦相手の攻撃配置に合わせて守備陣形を少し変更しているのが確認できます。
5バックの良さはある程度活かせているので、来季は守備面をさらに磨いて、失点をもっと減らしたいですね。
攻撃面
続いては、ユナイテッドの保持時について見ていきます。
保持に関しては、まだまだ改善の余地がありますし、それができれば、非常に魅力的で強いフットボールが見られるはずです。
ここからは、自陣深い位置でのビルドアップと高い位置での保持について詳しく見ていきます。
自陣深い位置でのビルドアップ(改善すべき点)

アモリム・ユナイテッドでは、自陣深い位置からビルドアップを行う際、中央のCBが前に出て、ボランチの横(中央)にポジショニングする。
しかし、そのCBがフリーになっていても、GKからそこにパスが出ず、うまく前進できない場面が目立つ【図⑤】。
相手のハイプレスにうまくハメられている時は、無理に繋ごうとせずにロングボールで逃げてもいいと思います。でも、中央にスペースがあるなら、そこは迷わず使っていきたいですね。
【実際の映像】

実際の映像でも、GKが中央のフリーなCBを使わずにサイドへパスを出してしまい、相手の片サイドプレスにそのままハマってしまった…。
確かに、中央に構えるCBにボールを預けるのはリスキーですし、そこで失えば即失点に直結する可能性もあります。しかし、中央を経由できればプレス回避にもつながり、擬似カウンターを仕掛けることも可能です。まさに、諸刃の剣ですね。
昨季終盤以降は、無理に後ろから繋ごうとはせず、割り切って前線にロングボールを蹴ってセカンドボールを拾う形を採用していました。
しかし、自陣深い位置からショートパスを繋いでビルドアップにトライするシーンが垣間見えていたので、完全に割り切っているわけでも無さそうです。
解決策として、ボランチの横(中央)で落ち着いてボールを捌けるCBを獲得するのもアリですが、果たしてアモリム監督はどう修正するのでしょうか…。
高い位置での保持

【24/25】最終節・ヴィラ戦は、ユナイテッドの来季への希望と可能性を感じさせる一戦でした。中でも、高い位置でのボール保持が非常に印象的だったので、ご紹介したいと思います。
まず押さえておきたいのは、ユナイテッドは高い位置では基本的に(3-2-5)の形でボールを保持していること【図⑥】。
この高い位置での保持時にボランチとして起用されたブルーノの動きに注目すると、本来のボランチの位置からトップ下に入ったり、空いたハーフスペースに入り込んだりと、オフザボールでエリアを移動しながらプレーしている。こうした一連の動きによって、相手のマーク基準を揺さぶり、守備ブロックを乱している。
また、同試合では、選手同士がポジションを入れ替えながら、相手のミドルブロックを攻略するシーンも見られました。

左WBのドルグとシャドーのマウントは、互いにうまくスペースを共有しながら、ハーフスペースを出入りすることで、相手のマーク基準をずらし、そのスペースを突いていた【図⑦】。
このように選手同士が上手くポジションチェンジすることで、流動性を生み出していました。

この一連の動きには『ユナイテッド、こんなこと出来るの…!?』って思いました。
※U-NEXTを継続利用中の方は、2025年6月23日現在、24/25シーズンの見逃し配信をご覧いただけます。特に、ユナイテッドの「高い位置での保持」の良さが色濃く表れた最終節・ヴィラ戦の前半は、ぜひ振り返ってみることをおすすめします。
ただ、これをシーズン通してできたかと言われると評価し難いところです…。
アモリム体制のユナイテッドは、相手のプレスがかかる場面ではボール保持が安定しない一方で、プレスの届かないエリアでは落ち着いてボールを回せているという印象です。
来季はこの高い位置での保持に磨きをかけて、相手の守備ブロックを崩し切るような攻撃的なフットボールを見せて欲しいなと思います。
来季への準備

来季、欧州大会に出場しないユナイテッドは、少なからず補強に影響が出ると思っていましたが、それでもアーセナルが狙っていた逸材、マテウス・クーニャをこうも簡単に獲得するとは思いませんでした。最近は低迷が続いていますが、やはり歴史ある名門クラブならではのブランド力を感じさせます。
あとは、噂のエンベウモと、CFは誰が来るのか楽しみですね!
昨シーズンはFW陣の決定力不足に悩まされただけに、来季はポジション争いを激化させて、前線の競争力を高めたいところです。
以上、ここまで素人によるアムリムフットボールの徹底考察でした。
最後までご覧いただき、本当にありがとうございました。
しばらく、ユナイテッド関連の記事やYoutube動画を出すつもりなので、よろしくお願いします。
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