どーも、てぃしーです。
今回はプレミアリーグ第6節、ニューカッスル対アーセナルの試合を振り返っていきます。
結果は、アーセナルが1-2で劇的な逆転勝利を収めました。
この試合で生まれた3ゴールはいずれもコーナーキックからでしたが、この記事ではセットプレーには触れず、あくまで試合の流れの中での両チームの戦術にフォーカスします。
具体的には、「ニューカッスルの堅いミドルブロックに対して、アーセナルがどのように保持で攻略していったのか」を考察していきます。
それではどうぞ!
この試合のスタメン

ニューカッスルのベースフォーメーションは(4-3-3)表記ですが、保持時にはトナーリとギマランイスが2ボランチの形を取ります。
一方、アーセナルのベースフォーメーションは(4-2-1-3)で、スピメンディとライスの2ボランチ。エゼをトップ下で起用しました。
アーセナルの高い位置での保持

こちらは、アーセナルがビルドアップである程度前進した際の保持の形です。
高い位置では(3-2-5)を取ります【図①】。
- 左SBカラフィオーリがワイドの高い位置で、幅と深みを確保。
- 左WGトロサールは内側に絞って、左ハーフスペースにポジションを取る。
次に、この保持に対するニューカッスルの守備を見ていきます。
ニューカッスルのミドルブロック

アーセナルの高い位置での保持に対して、ニューカッスルの守備対応を見ていきます。
ニューカッスルは(4-5-1)のミドルブロックを敷き、中盤を5枚で固める形【図②】。
非常にコンパクトで、中盤の間隔が狭く、アーセナルにとってはライン間にボールを通しにくい守備陣形となっていました。
中盤5枚構成によりスライドが容易

新城(ニューカッスル)の5枚の中盤はスライドが容易で、アーセナルの左右に揺さぶる攻撃にも的確に対応していました。
逆サイドに展開されても、余裕を持ってスライドし、中盤の横幅をしっかりカバーできていました【図③】。
実際、右WGサカにボールが渡るタイミングでは、左WGゴードンが素早く寄せてスペースを消し、左SBバーンと連携して2対1でサカに対応していました。
インサイドハーフが前に出る

さらに、ニューカッスルはアーセナルのフリーになっているボランチに対して、IH(インサイドハーフ)が前に出て前を向かせないように対応していました【図④】。
前線はCF1枚のみですが、IHが積極的に前に出ることで前線をしっかりサポート。
このようにして難攻不落のミドルブロックを築き、堅い守備を見せていました。
加えて、GKポープの好セーブも光り、先制を許したアーセナルにとってはなかなかこじ開けられず、焦りや精神的な負荷が大きかったと思います。
アーセナル、後半からの修正

後半に入ると、アーセナルは高い位置での保持時の立ち位置を修正。
右WGサカは内側に入り、右SBティンバーが右サイドの高い位置に上がる形を採用しました。
これにより、後方は4枚とリスキーな6トップのような布陣に変更されました【図⑤】。

サカが内側に入ったことで、ニューカッスルのLSBをピン留めでき、右SBティンバーは前を向いてボールを受ける余裕が生まれました【図⑥】。
さらに後半、エゼがライン間から降りてきたポジションも非常に効果的でした。
この位置でボールを受け、ニューカッスルの中盤を引き付けた上で、彼の技術で前を向きスルーパスを通していました。
また、ライン間に6枚を入れたことで、ニューカッスルのブロックのギャップ(CB-SB間)を突きやすくなりました。
弱点を突かれ始めたニューカッスルは67分、左WGゴードンを右SBトリッピアーと交代させ、ミドルブロックを(4-5-1)から(5-4-1)の5バックに変更して守備修正を行います。
ニューカッスルの守備が修正されたところで、アーセナルも70分に左SBカラフィオーリに代えてMFメリーノを投入。これにより、内側に入っていたトロサールを外側に張らせ、本来の左WGとしてプレーさせました。
アーセナルはバックラインを一枚削るファイヤーフォーメーションで追加点を狙います。
そしてコーナーキックから、メリーノが同点ゴールを決めました。
アルテタ監督の采配が大的中!

同点ゴール直後、アーセナルはトロサールに代えて左SBルイス・スケリーを投入。
“ファイヤーフォーメーション”からいったん4バックに戻し、陣形を整えます。
そして後半アディショナルタイム、コーナーキックからCBガブリエルがヘディングで逆転ゴール。
アーセナルは劇的な勝利を収めました。
まるでシナリオ通りに描かれていたかのような、完璧な采配…。
アーセナルの2ゴールはいずれもコーナーキックからでしたが、今回は修正によって勝利のプロセスを築き上げたアルテタの手腕が、大きく評価されるべきだと個人的には思います。
以上、最後までご覧頂きありがとうございました。
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